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ホームページ制作費0円のカラクリ|サブスク・リース契約で総額3倍になる仕組み
2026-08-24
「初期費用0円でホームページが持てます」
こうした営業電話や広告を目にしたことはないでしょうか。通常なら40〜50万円かかる制作費が無料になり、月々3万円程度から始められる。資金に余裕のない創業期であれば、非常に魅力的に映るはずです。
しかし、この仕組みには構造上の落とし穴があります。ここでは、なぜ制作費が0円になるのか、その内訳と、長期的に何が起きるのかを整理します。
この記事の流れ
- なぜ、制作費が0円になるのか
- ホームページはリース契約できないはずなのに
- 5年後、10年後にいくら払っているのか
- 途中でやめられない、という問題
- 納品後に放置されやすい、構造的な理由
- すべての月額制が悪いわけではない
- 契約前に確認すべき3つのこと
── なぜ、制作費が0円になるのか
ホームページ制作が0円で提供される理由は、制作会社が損をしていないからです。むしろ、通常契約より多くの金額を受け取っています。
お金の流れを整理すると、こうなります。
| 段階 | 何が起きるか |
|---|---|
| ① 契約時 | 依頼主・制作会社・リース会社の三者で契約が結ばれる |
| ② 契約直後 | リース会社が制作会社へ契約総額を一括で支払う(例:180万円) |
| ③ 制作 | 制作会社はサイトを納品する |
| ④ 以降5年間 | 依頼主はリース会社に毎月返済し続ける |
つまり制作費無料のカラクリとは、費用が消えたのではなく、支払先が制作会社からリース会社に変わり、支払期間が5年に引き伸ばされただけということです。
── ホームページはリース契約できないはずなのに
ここで疑問が生まれます。ホームページのような無形のものを、リースの対象にできるのでしょうか。
答えは「できない」です。法律上、無形物はリース契約の対象になりません。
ではホームページのリース契約がなぜ成立しているのか。
| 表向きの説明 | 契約書上の実態 |
|---|---|
| ホームページ制作 | リース対象外 |
| SEO対策 | リース対象外 |
| 保守・サポート | リース対象外 |
| ─ | 管理ソフト・管理用タブレット ← これがリース物件 |
実際にリースの対象となっているのは、ホームページそのものではなく「管理ソフト」や「管理用タブレット」といった有形の物品です。契約金額の大部分がこのソフト代に充てられ、ホームページ制作やSEO対策はリース契約に含まれていないケースが大半を占めます。
この構造が意味するのは、たとえ納品されたサイトの品質が低くても、リース契約そのものは有効に成立してしまうということです。
── 5年後、10年後にいくら払っているのか
具体的な数字で比較してみます。
| 経過年数 | 0円プラン(月3万円) | 買い切り(40万+月1万) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 1年目 | 36万円 | 52万円 | 0円プランが16万円安い |
| 2年目 | 72万円 | 64万円 | 逆転 |
| 3年目 | 108万円 | 76万円 | 買い切りが32万円安い |
| 5年目 | 180万円 | 100万円 | 買い切りが80万円安い |
| 10年目 | 360万円 | 160万円 | 買い切りが200万円安い |
ホームページ制作の初期費用0円プランで月額3万円・5年契約を結んだ場合、総額は180万円。10年継続すれば360万円に達します。
初年度だけを見れば0円プランのほうが安く見えますが、2年目で逆転し、10年では2倍以上の差がつきます。
── 途中でやめられない、という問題
最大の問題は解約です。
リース契約は原則として中途解約できません。月3万円の5年契約を途中で解約しようとすると、残りの期間分を一括で請求されます。
| 解約したい時期 | 残りの期間 | 一括請求される金額 |
|---|---|---|
| 1年後 | 4年分 | 144万円 |
| 2年後 | 3年分 | 108万円 |
| 3年後 | 2年分 | 72万円 |
| 4年後 | 1年分 | 36万円 |
支払いを拒否すれば、リース会社から債務不履行として損害賠償を求められることになります。
さらに厳しいのが、クーリング・オフが使えないという点です。クーリング・オフは事業者と消費者の取引を対象とした制度であり、事業者同士の取引には適用されません。「営業に押し切られて契約してしまった」という場合でも、法的な救済が受けられないのが実情です。
なお、この問題については中小企業庁も注意喚起の資料を公開しており、以前から指摘され続けてきた業界の課題です。
── 納品後に放置されやすい、構造的な理由
サブスク型のホームページが危険と言われるもう一つの理由が、公開後の対応です。
| 買い切り+月額保守 | リース型0円プラン | |
|---|---|---|
| 制作会社の入金時期 | 制作時+毎月 | 契約時に全額 |
| 運用を頑張る動機 | 継続してもらうため | なし(すでに入金済み) |
| 解約されると | 収益が減る | 何も困らない |
制作会社は契約時点で総額を受け取り終えています。その後どれだけ丁寧に運用しても、追加の収益は発生しません。結果として、既存顧客への対応は後回しになりやすい構造が生まれます。
更新を依頼しても返事が来ない、修正が反映されない、担当者が変わって話が通じない。こうした声の背景には、この収益構造があります。
── すべての月額制が悪いわけではない
ここで誤解のないようお伝えしたいのですが、ホームページのサブスク制作や月額制そのものが問題なのではありません。
初期費用を抑えて始められること自体は、資金繰りの観点から合理的です。実際、良心的な月額型サービスも存在します。
月額制ホームページのデメリットが表面化するのは、次の3つの条件が揃ったときです。
| 危険な月額制 | 健全な月額制 |
|---|---|
| 3〜7年の契約期間があり、中途解約できない | 契約期間の縛りがない |
| ドメイン・サーバーが制作会社名義 | ドメイン・サーバーが自社名義 |
| リース会社・信販会社が契約に関与 | 依頼主と制作会社の二者間契約 |
| 制作会社が先に全額を受け取る | 毎月の支払いが毎月の役務に対応 |
右側の条件が揃っているなら、月額制は健全に機能します。
── 契約前に確認すべき3つのこと
提案を受けた際は、次の3点を必ず書面で確認してください。
| 確認項目 | 見るべきポイント | 危険なサイン |
|---|---|---|
| 契約期間 | 何年契約か、中途解約できるか | 「5年」「解約不可」の記載 |
| ドメイン・サーバー名義 | 自社名義になっているか | 制作会社名義 |
| 契約の当事者 | 誰と誰の契約か | 自社と制作会社以外の会社名がある |
3つ目が特に重要です。契約書に自社と制作会社以外の会社名が出てきた時点で、慎重になるべきサインです。
ホームページは、事業を続ける限り使い続ける資産です。目先の初期費用ではなく、5年後にそれが自社の手元に残っているかどうかで判断されることをおすすめします。
ことばが、空間になる。
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