小規模事業者持続化補助金でホームページは作れる?|ウェブサイト関連費の2つのルール
kotoan / 言庵 ── journal
小規模事業者持続化補助金でホームページは作れる?|ウェブサイト関連費の2つのルール
2026-09-05
ホームページを作りたいが、費用が重い。補助金が使えると聞いたが、条件が複雑でよく分からない——そう感じている方へ。
結論から書くと、使えます。ただし2つのルールがあります。そして2026年、そのルールが小規模事業者にとって使いやすい方向に変わりました。
── まず結論:2つのルールだけ押さえる
この2つを外すと、その時点で対象外になります。ホームページ制作費は「ウェブサイト関連費」という区分で申請します。この区分には、他の経費にはない制約が2つあります。
ルール1|単独では申請できない 公募要領には「ウェブサイト関連費のみによる申請はできません。必ず、ほかの経費と一緒に申請してください」と明記されています。チラシ制作(広報費)や機械の購入など、他の経費と組み合わせる必要があります。
ルール2|補助金として受け取れるのは30万円まで 「当経費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)」と定められています。これは受け取れる補助金の上限であって、発注できる金額の上限ではありません。
なお第20回から、広報費にも同じく「単独申請不可・上限30万円(税込)」が新設されました。チラシだけ、ウェブだけ、という申請はどちらもできません。
── 2026年の第20回で何が変わったのか
「4分の1ルール」が廃止され、小さな計画ほど有利になりました。
| 第19回まで | 第20回(現在) | |
|---|---|---|
| 上限の決め方 | 補助金申請額の4分の1まで | 一律30万円(税込)まで |
| 単独申請 | 不可 | 不可(変更なし) |
| 広報費の上限 | 設定なし | 30万円・単独申請も不可に |
以前は「4分の1ルール」があり、たとえば補助金の申請額が50万円なら、ウェブサイト関連費に充てられるのは12.5万円まででした。事業計画の規模が小さいほど、ホームページに使える額が小さくなる仕組みです。
第20回でこのルールがなくなり、申請額の大小にかかわらず30万円まで充てられるようになりました。小さな事業計画ほど、恩恵が大きい変更です。
ネット上には4分の1ルールを前提にした解説がまだ多く残っています。情報の日付を確認してください。
── 補助金でいくら戻ってくるのか
補助率は3分の2。45万円の発注で上限に届きます。
- ホームページ制作費 45万円
- ▼ 補助率 2/3
- 補助金 30万円 ← ここが上限
- ▼
- 自己負担 15万円
制作費が45万円を超えても、補助金は30万円のままです。60万円のホームページなら、補助金30万円・自己負担30万円になります。
なお補助金全体の上限は50万円で、インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円、両方で200万円が上乗せされ、最大250万円になります。ただしウェブサイト関連費の30万円という枠は、この上乗せとは別に固定です。
── 対象になる人・ならない人
従業員数で判定します。法人・個人事業主のどちらも対象です。
| 業種 | 常時使用する従業員の数 |
|---|---|
| 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 |
| サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| 製造業その他 | 20人以下 |
「常時使用する従業員」には、会社役員や同居の親族従業員、日雇労働者、試用期間中の者は含まれません。判断に迷う場合は商工会議所に確認してください。
また、申請時点で開業していない創業予定者は対象外です。医療法人・学校法人・一般社団法人なども対象になりません。
── ホームページのどこまでが対象か
「販路開拓」につながるかどうかが分かれ目です。
対象になる例
- 商品販売のためのウェブサイト作成や更新
- ECサイトの構築
- 効果や作業内容が明確なサイトのSEO対策
- ECサイトに掲載する宣材写真の制作
- 顧客管理システムの構築
- 商品・サービスを販売するための画像や動画作成
対象にならない例
- サイトに関するコンサルティング、アドバイス費用
- すでに導入しているソフトウェアの更新料
- 補助事業期間内に公開に至らなかったサイト
- 単なる会社PRや営業活動のための広報
- 他社の商品を宣伝するためのサイト制作費
- 家庭および一般事務用ソフトウェア
会社案内サイトは通りにくい。 この補助金の目的は販路開拓です。「会社案内を新しくしたい」ではなく、「新しい客層にどう届けるか」を計画に書く必要があります。
50万円以上のサイトには処分制限がつきます。 50万円(税抜)以上でサイトを作成・更新した場合、原則5年間、勝手に廃止したり譲渡したりできません(通常の改良や機能強化は該当しません)。
── 申請から入金までの流れ
商工会議所・商工会の関与が必須です。早めに動いてください。
- GビズIDプライムを取得 ── 電子申請に必須。取得に数週間かかるため最優先で。
- 商工会議所・商工会に相談 ── 社外の代理人だけで相談・依頼することはできません。事業者本人が動く必要があります。
- 経営計画・補助事業計画を作成 ── 電子申請システムに直接入力します。
- 事業支援計画書(様式4)の発行を受ける ── 商工会議所・商工会が発行。締切後の依頼は理由を問わず一切受け付けられません。
- 電子申請 ── 第20回は郵送不可。電子申請のみです。
- 採択発表 → 見積書提出 → 交付決定 ── 採択から交付決定まで概ね1〜2か月かかります。
- 制作開始 ── 交付決定日より前の発注・契約・支払いは対象外です。ここが最大の落とし穴です。
- 公開 → 実績報告 → 補助金の入金 ── 補助金は後払い。いったん全額を自己資金で立て替えます。
第20回のスケジュール
| 項目 | 期日 |
|---|---|
| 公募要領の公開 | 2026年5月27日 |
| 申請受付開始 | 2026年11月5日 |
| 様式4の発行受付締切 | 2026年12月4日 |
| 申請受付締切 | 2026年12月15日 17:00 |
| 採択発表(予定) | 2027年3月頃 |
| 補助事業の実施期限 | 2028年3月31日 |
いま準備を始めれば十分に間に合います。むしろ様式4の発行とGビズIDの取得に時間がかかるため、直前に動くと間に合いません。
── よくある誤解
最後に、間違えやすい4点を整理します。
| 誤解 | 実際 |
|---|---|
| 補助金でホームページを無料で作れる | 補助率は3分の2、ウェブは上限30万円。多くは自己負担です |
| ホームページ制作費だけで申請できる | 単独申請は不可。他の経費との組み合わせが必要です |
| 採択されたらすぐ制作できる | 交付決定を待つ必要があります。決定前の発注は対象外です |
| 採択されればすぐお金が入る | 後払いです。先に自己資金で立て替えます |
── KOTOANができること
申請代行は行いません。制作側で用意できる書類をお作りします。
申請は商工会議所・商工会と一緒に進めていただく形になります。制度上、事業者ご本人が動く必要があるためです。その上で、制作側で用意できるものはお作りします。
- 補助金の様式に合わせた見積書
- 何を作るのかを具体的に書いた仕様書
- 交付決定から公開までのスケジュール表
また、事業計画に書く「販路開拓の取り組み」は、ホームページで何を実現するかと直結します。ご相談の段階から一緒に考えます。制作会社に何をどう頼むかは 補助金でホームページを作るとき、制作会社に頼むこと、制度全体の見取り図は ホームページ制作に使える補助金 にまとめています。
参考にした情報
- 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠> 第20回公募 公募要領 第8版(2026年7月21日/小規模事業者持続化補助金事務局)
- 商工会議所地区 事務局サイト(r6.jizokukahojokin.info)/商工会地区 事務局サイト(official.jizokukanb.com)
本記事の数値・日程は上記公募要領(第8版)に基づいています。公募要領は改定される場合があり、また申請の可否は個別の事情によって異なります。申請前には必ず最新の公募要領と、地域の商工会議所・商工会でご確認ください。
ことばが、空間になる。
貴社のホームページ制作を、KOTOANにご相談ください。
