K O T O A N
夕暮れに灯りがともる言庵ベーカリーの店先

ABOUT

パンのこと

毎朝、誰かのために焼いています。バタバタした朝でも、ゆっくりできない日でも——焼きたてのパンをひとくち口にしたとき、「あ、今日もがんばれる」と思ってもらえたら。それだけで、私たちはうれしい。

製粉した国産小麦と麦の穂

小麦について

使う粉は、北海道・江別と長野・東御のみ。産地を絞ったのは、こだわりではなく必然です。何年もかけて農家と話し、食べ比べ、ここしかないと決めた、ふたつの場所です。今年の夏は雨が多かった、乾燥が続いた——そのひとことで、水分量と配合をそのつど変える。同じレシピが、毎年少しずつ違う味になるのは、粉がまだ、生きているからです。

粉をふるいながら生地を成形するパン職人の手元

手成形

機械は使いません。生地の状態を手で感じながら、一本一本成形します。今日の温度と湿度で、発酵の進み方が変わる。だから毎日、同じ一本にはなりません。焼成温度は、手のひらの感覚と目の色で測ります。数字では教えられない、長年の積み重ねがそこにあります。

石窯の火で焼き上がるパン

石窯と天然酵母

一九九〇年に築いた石窯は、いまも現役です。ひびひとつ入れず使い続けてきたのは、修繕と手入れを怠らなかったからではなく、毎日火を入れてきたからだと思っています。窯は、使われることで生きている。天然酵母は、果実と水だけで育てた自家培養種。十年、継ぎ足し継ぎ足し、同じ種を守り続けています。